一立タイムズ 元年6月号

18~22歳のグループと60~74歳のグループで「今から記憶力のテストをします」と言って語句テストをした結果、若者グループが48点に対して高齢者グループは29点と若い人の記憶力が圧倒的によかったのです。

 ところが、同じ語句テストを「これは心理学テストです」と伝えてから実験を行ったところ、若者グループの49点に対して、高齢者グループが50点と逆転。これは高齢者にとって、記憶力は歳と伴に低下するという思い込みで「記憶力テスト」のときは思い込み通り得点が低くなり、記憶力以外のテストではマイナスの思い込みがなかったためと考えられます。

 数年前、成績が平均点くらいであるのに理科だけはいつも80点以上という塾生がいました。電気の分野が範囲のとき、「ここは難しいなぁ」と言っていました。どの年代でも電気は苦手という生徒が多い難しい分野でしたが、テストの結果はやっぱり80点以上でした。この生徒は「理科は得意だ」といつも言い、また思い込んでいたのです。そのプラスの思い込みによって良い結果を引き出すことができたと考えられます。

 プラスの思い込みがいろんなことをできるようにしてくれます。その第一歩は「僕はできる!」「私はできる!」と言うことです。「できない」「無理」と言う場面で、「多分できる!」「きっとできる!」というプラスの言葉に変えるような習慣にできると良いと思います。