一立タイムズ 30年5月号

4月、中学一年生が英語の授業を開始。アルファベットの練習からですが、小文字の「d」を縦棒から書く生徒がいました。書き順が違っても、書いた後は同じように見えますが、やはりちょっと違います。左側の丸の方を先に書いて縦棒は後から書くように指導しました。

「書き順は何のためにあるのだろうか?」ふと、考えました。
色々と考えていると、私なりの答えが2つ浮かんできました。

1つ目は、「先人たちの経験則から書き易く見やすくするための知恵かな」と。文字は見る人に伝えるのできれいな方がいいはずです。「見た目が9割」という本がありましたが、汚い字を読むのと、きれいな字を読むことを比べたら断然きれいな字の方がいいので、見た目は大事です。
漢字でも「必」を「心」から書き始めると形が整いませんが、正しい書き順通りにカタカナの「ソ」から書き始めると上手に見えます。
ある予備校の先生の話では、「書き順がしっかりしている」「姿勢がよい」「鉛筆の持ち方が正しくできている」生徒は成績もよい!と言っています。

2つ目は、「ルールを守る心構えかな」と。指導者から教わることを、自分の考えを入れずに素直に受け入れるようにします。それが速くマスターするコツです。
古来日本には「剣道・柔道・華道・茶道…」のように、「○○道」と道がつく芸道作法がたくさんあります。そしてそれらには「守・破・離」という修業の段階があって、最初は「守」で師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階です。まずはルール通り・セオリー通りに学ぶことが何事も上達する早道だと思います。

書き順なんてどうでもいいでしょう。分かれば…という考えでは、この先色々なことを学ぶのに自己流が入って途中から進まなくなってしまいます。習い事が続かない人に、そう考えている人が多いようです。学ぶときは小さなことでも、指導者の言葉通りにすることが大切です。それが基礎になります。当塾でも基礎を確実に身につけていけるように指導していきたいと思います。