一立タイムズ R5年9月号

お盆休みに立ち寄ったところで、私がかつて読んだ本で見たことのある文字に出会い驚きと同時に、本と同じだったので感動しました。右の写真ですが、額に入って壁に飾ってありました。これは奈良・春日大社の元宮司であった葉室賴昭氏の揮毫です。

 50歳を過ぎてから神主になった葉室氏の文字は、あまり上手ではなく書道教室へ通うことになりました。書道の基本を教えてもらってから「神」という1文字だけに限定して手本を書いてもらい、それを見て毎日練習を続けたそうです。20年ほどずっと練習しているにも関わらずそれほど上達は認められなかったそうです。
 そんなあるとき葉室氏にたっての願いで揮毫を頼まれお断りできない状況になりお受けすることに。そのとき初めて、頼まれた方のことを思い、心から文字を書いたと言います。その字を書道教室へ持っていくと、先生は感動し涙を流して「素晴らしい!」とおしゃってくださったそうです。それ以来いつでもこの素晴らしい文字が書け、さらには全く練習をしていない他の文字も同じように書くことができました。

 勉強・スポーツ・仕事・家事…何をやるにしても、心を込めることが重要だと改めて思いました。逆に()にやると、どんな大事なことも「()用」になってしまいます。自分がやることには「心を込める」を、私自身再確認し指導にも活かしていきたいと思います。